21世紀の精神医療の販売を開始しました(2019.11) 

旧著「極悪精神療法」で特殊な精神科治療を提唱した精神科医・吉田眞が、ついに本格的な精神医療の技術書を作成!
初診時の対応、診断と治療の方向付け、薬物療法、様々なタイプの患者対応…
分かっていたようで分かっていなかった精神医療の中身を公開(ただし業界非公認、作者独自の診療技法です)!
全ての人が知っておくべき精神疾患の知識、対人技術の知恵が、この本に詰まっています。

目次:

はじめに…精神医療への懸念と人材育成への意欲

第1章 精神医療の理念
 1項 現代精神医療の技術批判と根拠
  ・患者の特異性
  ・検査が数値化できない
  ・健康保険制度の矛盾
  ・医師それぞれの倫理観
  ・患者教育の是非
 2項 精神医療の理念を考える
  ・精神科医は「現代の神父」として
  ・精神医療は「幸福の医療」ではない
  ・治療のゴールは「資本主義」に
  ・「資本主義的ゴール」に例外はない
  ・21世紀の精神医療の目標
 3項 治療者の心構え
  ・精神科医に求められる人格
  ・衝動の自覚と制御
  ・「常識」を意識する
  ・暴力と対峙する
  ・自身の「死」を意識する
  ・敗北から学ぶ
  ・人生経験は多いほど…

第2章 疾病学
 1項 精神病理と疾患分類
  ・既存疾患の新規分類
  ・脳器質障害グループ…脳挫傷、認知症、変性疾患
  ・神経機能異常グループ…てんかん、統合失調症、躁うつ病
  ・記憶誘因グループ…神経症、PTSD、自傷行為など
  ・外的因子による精神障害…ホルモン異常、せん妄、薬物摂取
  ・感受性の異常…人格障害、知的障害、発達障害
 2項 変質者と本能行動
  ・疾患分類の限界?
  ・ゴミ屋敷(ホーディング)
  ・万引きと過食嘔吐
  ・潔癖症、アヒル
  ・強迫症状とは何か
  ・幻覚妄想と野生

第3章 診断と治療プラン
 1項 予診と問診
  ・予診:患者の人生を描く作業
  ・予診と主観と嘘
  ・投薬歴と犯罪歴
  ・現病歴の取り方
 2項 確定診断と治療の誘導
  ・確定診断の下し方
   ①暫定的な病名
   ②患者の要望と周辺環境
   ③患者の自然治癒力
  ・治療ゴールの設定
  ・薬物治療の誘導
  ・的確なカルテ記載を
 3項 特殊ケースへの対応
  ・理解力の低い患者
  ・粗暴者、錯乱者
  ・緘黙者
  ・不機嫌な者
  ・躊躇する者
  ・脱線する者
  ・チンピラ患者、ヤクザ患者

第4部 薬物治療
 1項 薬物治療総論
  ・薬物治療の技術
  ・原則単剤で
  ・半減期と力価
  ・頓服と定期薬
  ・注射薬の使い方
  ・治療効果の実感と薬物依存
  ・飲み忘れ、大量服薬
  ・高齢者への投薬配慮
 2項 薬物治療各論
  ・治療薬物の系統と神経構造
  ・3つの神経回路の役割
  ドパミン作動系抗精神病薬
   ・ハロペリドール、ブロムペリドール(ブチロフェノン系抗精神病薬)
   ・リスペリドン、パリペリドン
   ・スルピリド
   ・アリピプラゾール
   ・スルトプリド
  鎮静系抗精神病薬
   ・クロルプロマジン、レボメプロマジン、プロペリシアジン
   ・クエチアピン
   ・オランザピン
  情動安定薬=抗躁薬
   ・炭酸リチウム
   ・バルプロ酸
   ・カルバマゼピン
  抗うつ薬
   ・三環系抗うつ薬…イミプラミン、アモキサピン
   ・四環系抗うつ薬…トラゾドン、マプロチリン、ミルタザピン
   ・SSRI…パロキセチン、フルボキサミン、エスシスタロプラムなど
   ・SNRI デュロキセチン、ミルナシプラン
   ・アトモキセチン
  睡眠薬、抗不安薬
   ・ベンゾジアゼピン系薬剤(抗不安薬、睡眠導入薬の一部)
   ・BZ系以外の睡眠薬:ゾルピデム、ルネスタ、ベルソムラ、バルビツール
 3項 副作用と対策
  ・抗パ剤の使い方
  ・アカシジア
  ・悪性症候群、横紋筋融解症、緊張病
  ・その他の副作用
 4項 電気ショック療法その他
  ・絶大な効果と問題点
  ・ECT の最適な使用方法
  ・反復性経頭蓋的磁気刺激療法(rTMS)

第5章 精神療法
 1項 精神療法の基本的な考え方
  ・精神療法とは何か
  ・「精神科医の精神療法」の特徴
  ・日常の問題をテーマにする
  ・精神疾患と日常の悩み
  ・異常者と心の闇
  ・精神療法の前処置=加害者と被害者の切り分け
 2項 性格分類と精神療法の理論
  ・4つの治療受容基盤
  ・野生の本能と個性
  ・イージーな「パリピ」治療
  ・難度の高い「サイコパス」の治療
  ・抑圧による性格のマスク
  ・抑圧と成長
 3項 精神療法の実際
  ・精神療法の進行
  ・精神療法と時間制限
  ・精神療法と知性
 4項 特殊なケース
  ・「ヘンタイ群」へのアプローチ
  ・「メンヘラ」自傷行為の評価
 5項 暴力対応とクレーム処理
  ・暴力は治療対象に
  ・暴力の予防:低コストの「威圧術」
  ・安全確保:リスクの少ない「制圧術」
  ・再発防止:クレーム処理の「和解術」
  ・チーム医療と暴力対策